僕、大きくなったら社会人になりたい  「コロンブス航海誌」

 

 

コロンブスの航海誌。

表向きは未知の土地を教化するため、実際にはエルサレム遠征の資金(黄金)を探すためスペイン王家が計画した遠洋探検の航海譜/提督の口述録。

 

船隊の提督はコロンブスだけれど、航海誌を記録しているのがラス・カサスなのが面白い。

(彼は後に、先住民に対するスペイン人の暴虐に対して 強烈な抗議を残す。)
また船員としてマルティン・アロンソも同乗していた。
(彼も後に、インカの王の娘と結婚し、白人に対する反乱戦争の頭首になる)
ただ、第1回航海であるこの時点では、先住民に対しての攻撃的な側面は全くない。

 

 

 

 

コロンブスは長い航海の末、現在の西インド諸島に到達し、先住民を「発見」する。
記録の中心は、先住民の自分たち白人に対する様子と、黄金の在処を教えるかどうかの二点だけだが、このやりとりの様子が非常に微笑ましい。

 


以下、提督コロンブスの言葉。

 

「彼(先住民の王)をはじめ、その侍従も顧問も私の言葉が判らず、また私も、彼らの言うことを理解できないことを大変残念がっております。
それでも私は、もしもこの地に私の気に入るものがあったら、全島をあげて私の意のままにすると、彼が言っていることが判ったのであります。」

 


まぁ、現代にもいるけどねこういう人。
非常に微笑ましい。

 

 

 

土よりも黄金が多い島、ジパングの話も出てくる。
かの有名な、「指二本分の厚さの黄金でできた天井」の話。

この島のやや南東にあると言っているようだ、とか。

 


自分の見たいものを見ているだけではロクなことにならないよという深い戒めが込められた良書であった。

 

 

コロンブス航海誌 (岩波文庫 青 428-1)