騙されたいッ  D・トンプソン「すすんでダマされる人たち」

 

患者を薬漬けにしたほうが医者は儲かる


なんて主張を聞くと、一瞬あぁそうかもなって思う。
  
 
タバコを吸っても肺がんリスクは変わらない、とか。

タバコ吸ってて健康な人たくさん知ってるしね?



ワクチンは外来物だからホントは身体に悪い、とかとか。



一瞬そうかもって思うのはしょうがない事だと思う。
特に、その分野に詳しくない人が流されてしまうのは、ある面で、避けられないものではあると思う。


(例えば僕だったら、世界貿易センタービルの倒れ方が建築学的にありえない、爆破されたに違いない、って高名そうな工学者風の人が言ってたら

確かに
そうかも、そんな気がする

ってなるし。)



でも、そーいう現代医学の批判(もどき)は大抵、
「病院で治らなかった病気がホメオパシーで完治した!寅子先生万歳!」とか
「身体に溜まった毒素はサプリメントで排出しないと病気になる!」
とかそんなインチキな商売とリンクしてたりする訳で、

非常に、胡散臭い。

例えばこんなん。

自然な育児 予防接種とホメオパシー
 (ググると特にホメパチは何十万とヒットする。ほんと掃いて捨てたいくらいに。)



5分で「理解」できるようなそんな言説(counter-knowledge)に、
価値なんてあるわけないのに、

そういう「分かりやすい」情報を人はどうして信じてしまうのか、という本。

(著者の結論は、本を読むと割と明快。
 
 僕としては、「物事を真に理解してる人ならそれを簡潔に分かりやすく説明できるハズ」思想のせいだと思ってるんだけど。世に溢れてる迷信の中で最も不可解なものの一つですね。)


…近縁の話をもう一つ書くと、
 
自分の親類にもいるが、

ユダヤ人が世界経済を牛耳ってる、とか
中国政府が日本を乗っ取ろうとしてる、とか
そんな類の都市伝説をマジメに信じててたりする人って結構多い。

百歩譲ってそういう要素があるにせよ、
それらは状況を構成する無数の要素のうちの一つに過ぎないし、

たった一つの要素に捉われた見方に染まってしまうと、
世界の本当の複雑さとか面白さとか、あとは学問の奥深さとか、
色んなものが見えなくなってしまう。

それが一番悲しいと思う。

 


 

 

おわり